そもそも彼女と知り合ったのは夜のサパークラブでした。
サパークラブには多くのコンパニオンがいるのですが、お客は会社の接待や偉い人たちですので歳をとった人ばかり。で20代のコンパニオンにとってはお仕事相手でしかありません。
彼女はそのサパークラブのコンパニオンで、私は上司に連れられて初めてその店に行きました。
そのうち僕ら若い社員だけでも行くようになり、年齢の近い僕らは意気投合して彼女達と楽しい時間を過ごすようになります。
そしてある日、店が終了後、いっしょに飲みに行くことになってその時にデートの約束を取り付けました。
後日、車で横浜の山下公園まで夜のドライブに出かけ、その夜はじめてホテルで夜をともにしました。
それから僕は彼女の仕事が終わる深夜1時に店の前まで彼女を迎えにいくようになって、いつのまにか彼女の部屋で暮らすようになっていきます。
僕はそこから会社へと仕事に行くようになり、二人の同棲生活が始まりました。
同棲の魅力
同棲には経済面でメリットもデメリットもあると思いますが、僕にとって同棲が最も魅力的だったのは、とにかく好きな彼女と共同生活できることで、1分、1秒でも長く一緒の時間が多く持てることでした。
僕は普通に昼間働く会社員で、彼女は夜に働くコンパニオン。二人でいっしょにいれる時間はそれほどなかったんです。
しかし、彼女の仕事が終わればすぐに会えて、朝までいっしょにいれる同棲は僕にとっては天国でした。
率直に思うのは、同棲にあまり具体的なメリットやデメリットを考慮することをおすすめしません!そんなことよりもシンプルに、一緒にいたいという気持ちを具体化したのが同棲や結婚だと思います。
同棲も結婚も、ひとつの屋根の下で好きなもの同士がいっしょに暮らすということでは同じです。
世間に宣言するかどうかの違いだけです。
毎日いっしょに飯を食べて話して、ベッドの上で抱き合う。とても素敵な時間を得ることができました。
同棲のすすめ
その後、約6ヶ月たって彼女とは別れることになりました。彼女が店のお客から求婚されて結婚することになったからです。
やがて彼女は店をやめてその彼と故郷へと帰っていったようです。
まあ浮気のようなもので、僕はいきなりそうした現実を突きつけられたのですが、僕は今でも彼女のことを恨んではいません。そこには二人で過ごしたとても素晴らしい時間がありました。
好きなもの同士がいっしょにいれるのが、それだけでどれだけ幸せなことなのかを知ることができました。
今、結婚するべきかとか同棲しようかとか迷っている人にはこう言いたいです。
結婚であろうが同棲であろうが、あなた自身はその人と少しでも長い時間を過ごしたいのかどうかを自分自身に問いただして、自分に正直に生きてください、とね。