私たちが出会ったのは仕事仲間の紹介でした。
私は27歳で彼女は一つ下、出会った当初彼女は世田谷の実家暮らしでした。一年ほど経った頃に彼女が中目黒で一人暮らしを始めることになり、私の職場に近いことと部屋が綺麗ということもあってほとんど毎日入り浸るようになりました。
やっぱり女の子の部屋って居心地が良いんですよね。それまで一時間以上掛けて通勤していた私は帰るのが面倒になってきたので、彼女に頼んで一緒に暮らすことになりました。
彼女は良い家の育ちということもあって借りた部屋も結構高めのマンション、私にとってはそれだけでも同棲する価値がありました。もちろん家賃は半分払いましたが、それでも元のアパートより安く済んで助かりましたね。
同棲のメリット
一緒に住んだメリットはたくさんあって、彼女の手料理を食べられることもその一つでした。それまでは安い定食屋で外食したりコンビニ弁当とかが多かったですから、ちゃんと栄養バランスを考えてくれる彼女の料理は有り難かったですね。
几帳面な性格の彼女は毎週休みに掃除をするぐらいキレイ好き、掃除が苦手な私にはそれも魅力に感じました。まあ想いがあるうちはそんなことは全ていい印象になるもので、「同棲って良いなあ」といつも思っていたような気がします。
ある休日の出来事
その歯車が少しづつ狂い出したのは私の仕事が忙しくなっていった29歳ぐらいの頃でした。仕事が忙しくなるのは良いことなんですが、一緒にいる時間が減るにつれ彼女が愚痴を言うことが増えてきました。
多分年齢的にも結婚を意識し始めた時期ですからそういったことも心理的に影響があったかもしれません。彼女も仕事の大切さがわかる人だと思いますが、私が何よりそればかり優先して仕事オンリーになってしまいそうな生活が辛かったのかもしれません。
ある休日の朝、私は前の晩の仕事の疲れで爆睡していたんですが、その最中彼女がいつも通り掃除を始めました。私は掃除機の音がうるさくて後にしてくれと頼んだんですが、彼女は無視して掃除を続けました。
それに我慢しきれず私が怒鳴ってしまったことで、せっかくの休日も雰囲気の悪い一日になってしまいました。しかもその日は午後に銀座に買い物に出掛けようと計画していた日、その約束もすっかり台無しです。
同棲解消
そんなスレ違いが少しづつ増えていき結局その数ヶ月後に私は部屋を出ることに。そして彼女とは破局を迎えました。
今思うと私自身あまり結婚を急ぎたくなかったんですよね。結婚したい相手が彼女なのは確かでしたがまだ時期尚早な気がしていたんです。
でも彼女からすればもうすぐ30といった年頃、もっと理解してあげるべきだったのかもしれません。別れてから未練が強く残った私は再度彼女に復縁を求めましたが、彼女の気持ちはむしろ醒めていく感じで連絡すらまともに取れなくなっていきました。
同棲するのはけして悪いことじゃないと思いましたが、いつするかはタイミング次第だということなのでしょう。