部屋探しした人ならお気づきでしょうが、物件を見つけて契約し、そこに住めるようになるまでにかなりの初期費用が必要になります。
代表的なものを挙げると、敷金、礼金、仲介手数料、前家賃、保証料などなど。
それらを契約時に一気に支払わなければならないため、いわゆる「引越し貧乏」になってしまうこともあります。
たまに聞きますね。
では、この初期費用を抑えるにはどうしたらいいか見ていきます。
目次
初期費用の減額を交渉する
初期費用のなかには、交渉次第で減額してもらえるものもあります。
交渉するといい費用、交渉はしないほうがいい費用ありますので、参考にしてみてください。
項目ごとにみていきます。
礼金
一番可能性が高いのが、礼金!
礼金は「貸してくれてありがとう」という大家へのお礼で、部屋を借りるときの昔からの慣習です。
大家にしてみれば礼金がもらえないよりも空室が出ることのほうが長い目で見れば損失となるため、「礼金なしでもいいから住んでほしい!」ことも珍しくありません。
したがって、礼金の値下げ交渉はやってみる価値があります。
日割り計算の家賃
家賃の前払いや月初めに入居できないときに発生する日割り家賃も交渉できます。
家賃の前払いをなくしてもトータルで見れば損失を被るわけではありませんし、日割り家賃はそれほど大きな金額ではないため、大家としても「それで契約してくれるのなら…」と、応じてもらえる可能性があります。
よくあるのが家賃の発生日を遅らせてもらうことで、部屋探しではいい物件がみつかっても、「2週間以内に入居してください。家賃はその日から発生します」とされることが多々あります。
ただ引越し予定日まで1ヶ月とかあると、住んでないのに家賃を支払うムダな期間がでてきてしまいます。
これはもったいない!
そこで大家さんや仲介業者の言いなりになるのではなく、家賃の発生を入居予定日に合わせてもらう交渉をしてみましょう。
さすがに入居まで2ヶ月もあると受けてもらえないですが、1ヶ月ぐらいだとOKになることも多いです。
敷金、仲介手数料
逆に値下げ交渉しないほうがいいのが、敷金や仲介手数料です。
敷金はいわば保証の役割を果たしているため、これを値切ると心証を悪くしたり退去時のトラブルのもとになってしまう可能性があります。
また仲介手数料は不動産会社が手に入れることのできる唯一の収入ですから、せっかく顧客のために大家との間に立って交渉したり物件探しに辛抱強く付き合ってるのに、これを値切られると心証を悪くしてしまいます。
不動産会社や大家さんとは住みはじめてからも関係はつづくので、今後のトラブルを避けるためにも敷金と仲介手数料は素直に払っておいたほうがいいでしょう。
初期費用を分割払いにする
初期費用の分割を交渉してみるのも手です。
不動産屋さんによってはクレジットカード払いが可能なので、リボ払いや分割払いの設定にしておけば、初月の負担は軽くなります。
ただし、分割払いは利息が発生しますので注意が必要です。
敷金礼金なし、仲介手数料が無料の物件を探す
もともと「敷金礼金なし」「仲介手数料が無料」などのキャッチコピーで顧客獲得を狙っている物件もあります。
敷金や礼金は大体家賃の1~2ヶ月分であることが多く、初期費用をできるだけ抑えたい人にとっては気になりますよね。
ただし、こういった物件は初期費用が安い代わりに家賃が高めに設定されていることもあります。
せっかくなので、本当に「敷金礼金なし」は利用者にとってお得なのか、みていくことにします。
礼金なしの理由
礼金とは、大家に「部屋を貸してくれてありがとう」というお礼として払うお金です。
大家にしてみれば当然ありがたい収入ではあるのですが、これが入ってくるのは入居者との契約時のみ。
いっぽうで入居者が決まってずっと住み続けてくれれば毎月定期的に家賃収入が得られます。
ということは、礼金のせいで入居者が決まらず空室のままだと、そのほうが損失が大きくなってしまうわけなんですね。
したがって、空室を出さないために礼金をなしにする、という物件も多いです。
敷金なしの理由
敷金は保証金の意味合いがあり、家賃の未払いや、部屋の修繕が必要になった場合に、その費用として使用されるものです。
「敷金なし」というのはその保証金がないことなので、これは大家にとってデメリットでしかないはずです。
ではなぜ敷金なしにしているのか?
これは契約書をよく見てみると、「クリーニング代や修繕費は入居者が支払うこと」といった言葉が付け足されてあったり、「クリーニング代」「保証金」「入会金」など、ほかの名目で入居時や退去時に一定金額を支払うよう書かれていたりすることがあります。
つまり、結局は敷金を支払うのと同じ支払いが発生するわけです。
それだけならまだしも、場合によっては敷金を支払うよりも高くついてしまう可能性があるので注意が必要です。
敷金なしで入居できたにもかかわらず、トータルでの支払い額が高くなるとはどういうことかというと、こうした物件は一般的な相場より家賃が高めに設定されていることがあるためです。
敷金分を家賃で取り返そうという魂胆なのですが、敷金であれば退去時にクリーニング代など修繕費を引かれて返金されるのに、家賃として支払えば当然ながら返金はありません。
敷金なしの物件は、初期費用は抑えられるけど総支払い額では高くなることがある点は、よく考える必要があります。
契約書にサインする前に、しっかりと内容を確認しておきましょうね。
敷金礼金なしの物件には、安い理由がある
初期費用が安くて済む物件には、それ相応の理由があります。
そもそも敷金や礼金をゼロにしなければならない物件は人気のない物件ですし、その理由として住人の質やその周辺の環境が悪い可能性もあります。
初期費用の安さに目がくらみ契約したはいいものの、「実際に住んでみて後悔!環境が悪くて住みにくいな」なんてことのないよう注意したいものです。
さいごに
以上、賃貸で部屋探しするときに、初期費用をおさえる3つの方法を紹介しました。
とくに敷金礼金がかからないゼロゼロ物件は、不動産会社が目玉のひとつとして大々的に宣伝してたりもするので目を引きますが、逆に考えれば敷金礼金を取るとなかなか決まらない物件ともいえます。
値段だけにとらわれずに、その後の住み心地など総合的にかんがえて判断するといいでしょう。